こんなお悩み、ありませんか?
- ✔売上の何%が手元に残るのか知りたい
- ✔利益率が他の飲食と比べて高いか低いか知りたい
- ✔利益率の内訳と上げ方を知りたい
タケ(13年オーナー)
キッチンカーの手残り率(売上に対して手元に残る割合)は30〜50%が目安で、これは飲食の中ではかなり高い水準です。
💡 この記事でわかること
この記事でわかることを、先に3つ挙げておきます。
- 手残り率は30〜50%で飲食では高水準
- 見るべきは粗利率でなく手残り率
- 利益率を上げる3つのレバー
たこ焼き移動販売13年。数字で経営してきた経験から、キッチンカーの利益率(手残り率)を実数で解説します。
結論:キッチンカーの利益率(手残り率)は30〜50%が目安
*Photo by 女子 正真 on Pexels*
結論から言うと、キッチンカーの手残り率(売上に対して手元に残る割合)は30〜50%が目安です。
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たとえば月商100万円なら、手残りは30〜50万円。これは飲食の中ではかなり高い水準です。理由は、店舗のような高い家賃がなく、原価率も低く抑えられるからです。
ただし、これは「うまく設計できた場合」の数字です。固定費や出店料が重いと、利益率は一気に下がります。ここからは内訳を見ていきます。
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そもそも利益率とは?粗利率と手残り率を分ける
*Photo by Matheus Bertelli on Pexels*
利益率には2種類あります。混同しないことが大切です。
- 粗利率:売上から原価だけを引いた割合。たこ焼きなら原価率24%なので、粗利率は約76%
- 手残り率:原価に加え、出店料・固定費も引いた最終的な割合。これが本当の利益率
「粗利率76%」と聞くと儲かりそうに見えますが、ここから出店料と固定費を引くと、実際の手残り率は30〜50%に落ち着きます。見るべきは手残り率です。
変動費:売上に比例して増える費用
手残り率を正しく計算するには、費用を「変動費」と「固定費」に分けて考える必要があります。まずは変動費から。変動費は、売れた分だけ増えていく費用です。キッチンカーの主な変動費は次の3つです。
- 売上原価(材料費):たこ焼きなら一般的な目安で原価率23〜25%
- 容器・割り箸・ソースなどの消耗品:売上の数%が目安
- 歩合制の出店料:売上の10〜30%(イベント出店に多い形態)
変動費は売上と一緒に増減するので、金額ではなく率(%)で管理するのがコツです。売上が2倍になれば変動費もほぼ2倍になります。
固定費:売上に関係なく毎月かかる費用
固定費は、売れても売れなくても毎月出ていく費用です。一般的な目安として、次のようなものがあります。
- 駐車場・仕込み場の家賃:月2〜8万円
- 車両保険・自動車税(月割り):月0.5〜1万円
- 車両ローン・リース料:契約により月2〜5万円
- 通信費・水道光熱費・雑費:月1〜2万円
固定費は売上に比例しません。だから売上が増えるほど、たこ焼き1個あたりが背負う固定費の負担は軽くなる。ここが利益率を左右する最大のポイントです。
本当の利益率(手残り率)の計算式
変動費と固定費が分かれば、本当の利益率は次の式で出せます。
本当の利益率(手残り率)=(売上 − 変動費 − 固定費)÷ 売上
粗利率だけを見ていると、この式の「固定費」という毎月の重りを見落とします。変動費と固定費を分けて考えるクセをつけるだけで、利益率はグッと読めるようになります。
タケ(13年オーナー)
利益率の内訳(売上100万円が何にいくら)
*Photo by Kampus Production on Pexels*
月商100万円を例に、お金がどう分かれるかを見ます。
- 売上原価(24%):24万円
- 出店料(15%):15万円
- 固定費:10万円
- 手残り:51万円(手残り率51%)
固定費は売上に比例しないため、月商が上がるほど手残り率は高くなります。逆に売上が小さいうちは、固定費の比重が重く利益率が下がります。
月商別・手残り率シミュレーション(一般的な目安)
固定費が売上に比例しないと、月商が動くだけで手残り率がどう変わるのか。一般的な目安として、変動費39%(原価24%+歩合出店料15%)・固定費10万円で試算してみます。
| 月商 | 変動費(39%) | 固定費 | 手残り | 手残り率 |
|---|---|---|---|---|
| 50万円 | 19.5万円 | 10万円 | 20.5万円 | 約41% |
| 100万円 | 39万円 | 10万円 | 51万円 | 約51% |
| 150万円 | 58.5万円 | 10万円 | 81.5万円 | 約54% |
同じ変動費率・同じ固定費でも、月商が50万円から150万円に上がると手残り率は約41%から約54%へ伸びます。金額差はもっと大きく、手残りは20.5万円から81.5万円へ約4倍。固定費が薄まる効果がハッキリ出ます。(すべて一般的な目安の試算です)
売上が小さいうちは利益率が伸びない理由
開業直後や月商が小さいうちは、固定費10万円が売上に占める比率が高くなります。月商20万円なら固定費だけで売上の50%。ここに変動費39%が乗ると、手残りはほとんど残りません。だから開業初期は「利益率が低い」のが普通で、焦る必要はありません。まず売上を、固定費が薄まるラインまで積み上げるのが先です。
業態別の利益率比較
*Photo by Imani Williams on Pexels*
キッチンカーの利益率が高いことは、他の業態と比べるとよくわかります。
- キッチンカー:手残り率30〜50%
- 店舗型飲食:手残り率10〜15%(家賃・人件費が重い)
- フランチャイズ:ロイヤリティが引かれ、手残り率はさらに低くなることも
店舗は家賃・人件費・水道光熱費が固定で重く、利益率が低くなりがちです。キッチンカーは固定費が軽い分、同じ売上でも手元に残りやすいのが強みです。
利益率を上げる3つの方法
*Photo by Cihan Yüce on Pexels*
手残り率をさらに高めるには、3つのレバーがあります。
- 固定費を下げる:仕込み場を自宅で完結できれば月3〜8万円を節約。利益率に直結する
- 原価率を下げる:仕入れ先の見直しで23〜25%に抑える
- 客単価を上げる:トッピングやセットで単価を100〜200円上げる。原価率を変えずに利益額を増やせる
この3つを少しずつ動かすだけで、手残り率は数%単位で改善します。
出店料は利益率を大きく左右します。詳しくは移動販売の場所代(出店料)の相場は売上の10〜30%にまとめています。
損益分岐点:赤字にならない最低売上を知る
利益率とセットで押さえておきたいのが「損益分岐点」です。これは最低いくら売れば赤字にならないかのライン。計算式はシンプルです。
損益分岐点の売上 = 固定費 ÷ 限界利益率
限界利益率とは、売上から変動費を引いた割合のこと。変動費が39%なら限界利益率は61%です。固定費が月10万円なら、10万円 ÷ 0.61 ≒ 約16.4万円。つまり月16.4万円売れば固定費はペイでき、それを超えた分が利益になります。(一般的な目安の試算)
この数字を頭に入れておくと、「今月あと何万円売ればプラスか」がその場で判断できます。天気が悪くて出店を迷う日も、損益分岐点を基準にすれば冷静に決められます。
タケ(13年オーナー)
キッチンカーの利益率でありがちな3つの勘違い
13年この数字を見てきて、開業前の人がつまずきやすいポイントが3つあります。先に知っておくと、あとがラクです。
勘違い1:粗利率=儲けだと思っている
粗利率76%は「原価を引いただけ」の数字です。ここから出店料・固定費が引かれ、手元に残るのは30〜50%。粗利率のまま採算を考えると、固定費の分だけ計算が狂って赤字になります。判断はいつも手残り率で。
勘違い2:売上を上げれば必ず利益率も上がる
売上が上がれば固定費の比重は下がります。ただし、歩合の出店料が高いイベントばかりに出ていると、売上が増えても変動費が一緒に膨らみ、手残り率は伸びません。「どこで売るか」で利益率は大きく変わるということです。
勘違い3:利益率だけ見て、労働時間を見ていない
手残り率が高くても、仕込みに毎日6時間かかっていたら時給は低くなります。利益率と一緒に「時給(手残り ÷ 総稼働時間)」も計算するのがおすすめです。数字が高いのに疲れる出店は、たいてい時給が合っていません。
キッチンカーの利益率に関するよくある質問
Q1. 開業初月から利益率30〜50%は出ますか?
A. 正直、最初は難しいです。開業直後は売上が安定せず、固定費の比重が重いため、利益率は目安より低く出やすいです。売上が損益分岐点をしっかり超え、固定費が薄まって初めて30〜50%が見えてきます。焦らず売上を積み上げるのが先決です。
Q2. 利益率と時給、どちらを重視すべきですか?
A. 両方です。利益率が高くても稼働時間が長ければ時給は下がります。「手残り ÷ 総稼働時間」で時給を出し、利益率とセットで見ると、その出店が割に合うかどうかが判断できます。
Q3. 原価率は何%を目安にすればいいですか?
A. たこ焼きのような粉もの系なら、一般的な目安で23〜25%に収まると健全です。30%を超えると利益率を圧迫します。仕入れ先の見直しや、トッピングで単価を上げて相対的に原価率を下げるのが有効です。
Q4. 手残りからさらに引かれるものはありますか?
A. あります。所得税・住民税・国民健康保険料などの税金や社会保険料は、手残り(利益)から支払います。手残り率30〜50%は税引き前の数字なので、実際に生活費へ回せるのはさらにその後です。売上が伸びてきたら法人化で税負担を調整する選択肢もあります(→ 関連:キッチンカーの法人化タイミング)。
タケ(13年オーナー)
まとめ
キッチンカーの利益率について、要点を整理します。
- 手残り率(本当の利益率)は30〜50%が目安で、飲食の中では高い水準
- 見るべきは粗利率(約76%)ではなく、出店料・固定費まで引いた手残り率
- 費用は「変動費(売上に比例)」と「固定費(毎月一定)」に分けて管理する
- 固定費は売上に比例しないので、月商が上がるほど手残り率も上がる
- 店舗型(10〜15%)やフランチャイズより、固定費が軽い分だけ利益率が高い
- 利益率を上げるレバーは「固定費を下げる・原価率を下げる・客単価を上げる」の3つ
- 損益分岐点(固定費÷限界利益率)を知れば、赤字ラインが即わかる
- 利益率だけでなく「時給」と「税引き後」も見て、割に合う出店を選ぶ
基本の見方:本当の利益率 = 手残り ÷ 売上
売上の数字だけでなく、手残り率を意識すると、経営の改善点が具体的に見えてきます。







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