辞める前に、ここで足が止まっていませんか?
- ✔43歳で会社員を辞めてキッチンカー、さすがに無謀じゃないのか
- ✔開業してから収入が安定するまで、いったい何ヶ月かかるのか
- ✔会社員を続けたままできる助走が、あるなら知っておきたい
タケ|移動販売13年
この備えがある人にとっては無謀ではなく、ない人にとっては無謀になります。
🧭 読み終わったときに、手元に残るもの
この記事は、次の3点を持ち帰ってもらうために書きました。
- 収入移行の現実:開業後、最初の数ヶ月が赤字になりやすい理由
- お金の備え:運転資金を3〜6ヶ月分そろえる考え方
- 辞める前の助走:会社員のうちに副業で試す方法と、固定費の下げ方
移動販売を13年続け、最高月商500万円を達成してきた経験からお伝えします。結論から言えば、脱サラしてキッチンカーは「無謀ではない」けれど「準備なしなら無謀」です。 (→ 関連:キッチンカーは会社員のまま準備できる|辞める前にやる7つのこと【13年オーナー解説】)
結論:無謀ではないが、収入の備えは必須
*Photo by Matheus Bertelli on Pexels*
キッチンカー開業そのものは、店舗を構える飲食店より少ない資金で始められます。
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店舗型の飲食店は初期費用1,000万円前後が珍しくありませんが、キッチンカーなら中古車両を使えば250万〜400万円で開業できます。
ただし「始められる」ことと「食べていける」ことは別の話です。
開業初月から月商50万円を超えるケースは、13年見てきて全体の2割ほどでした。
つまり、車両を買って営業許可を取れば終わりではなく、収入がゼロに近い期間を乗り越える備えが要ります。
この備えがある人にとっては無謀ではなく、ない人にとっては無謀になります。
なぜ「無謀」と言われるのか
*Photo by YU HSIU CHOU on Pexels*
脱サラ×キッチンカーが無謀と言われる理由は、大きく2つあります。
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1つ目は、開業直後に固定の月給がなくなることです。
会社員時代に毎月25万〜35万円が振り込まれていた人ほど、収入ゼロの月に強い不安を感じます。
2つ目は、初月から黒字になりにくいことです。
新規の出店場所では認知がなく、最初の1〜2ヶ月は1日の売上が1万円を切る日も出てきます。
材料費や出店料を引くと、開業初月は赤字になる人が7割以上という肌感覚です。
この「無収入期間」と「初月赤字」の2つが重なるため、無謀だと言われやすいのです。
タケ|移動販売13年
なぜ会社員を辞めてキッチンカーを選んだのか【13年前のリアル】
「無謀かどうか」を語る前に、実際に脱サラした側の話を少しさせてください。ここは一般論ではなく、13年前に自分が通ってきた道の実話です。
タケ|移動販売13年
会社員は2年で区切りをつけた
社会人のスタートは会社員でした。ただ、勤めたのは2年間です。
そのあと独立して個人事業主になったものの、最初は事業がまったく軌道に乗らず、収入が安定しない時期が続きました。今こうして書くと格好はつきますが、当時は「このままで食べていけるのか」と毎月不安だったのが本音です。
だからこそ、これから脱サラする人が抱く「収入がゼロに近い期間の怖さ」は、痛いほど分かります。ここはキッチンカーは会社員のまま準備できる|辞める前にやる7つのことで解説している「辞める前の助走」がそのまま効いてくる部分です。
「本当に好きなことは何か」を自問した
転機は、営業職をしていたころにやってきました。数字に追われる毎日のなかで、ふと「自分が本当に好きなことは何だろう」と立ち止まって考えたんです。
出てきた答えが、シンプルに「料理が好き」でした。この気持ちひとつが、飲食=キッチンカーという選択につながっています。
脱サラで一番大事なのは、実は資金計画より前の「なぜやるのか」だと考えています。ここが「なんとなく会社が嫌だから」だと、初月赤字の壁で心が折れやすいからです。
💡 ここが分かれ道
「会社が嫌」で辞める人より、「これがやりたい」で辞める人のほうが、収入ゼロの数ヶ月を耐え抜きやすい傾向があります。動機の強さは、そのまま資金の粘り強さに変わります。
一度も会社へ戻ろうとは思わなかった
会社を辞めて以降、正直に言うと、一度も「戻ろう」とは思いませんでした。うまくいかない時期もありましたが、それでも会社員に戻る選択肢は自分のなかになかったんです。
この「戻らない覚悟」があるかどうかは、無謀か無謀じゃないかを分ける大きな要素だと13年やってきて感じています。逃げ道を残したまま始めると、少しの不調で心が折れてしまうからです。
とはいえ、覚悟=無計画ではありません。むしろ覚悟がある人ほど、次に書く「収入移行の現実」と「3つの備え」を冷静に用意しておくべきです。
収入移行の現実:最初の数ヶ月は赤字が普通
*Photo by Imani Williams on Pexels*
会社員からキッチンカーへの収入移行は、段差を一気に飛び降りるイメージで考えると危険です。
開業1〜3ヶ月目は、固定客がいないため売上が安定しません。
1日の平均売上が1.5万〜3万円の間で上下し、雨の日はほぼゼロという月もあります。
経費の目安として、出店料は売上の10〜30%を占めることが多いです。詳しくは移動販売の場所代(出店料)の相場は売上の10〜30%で解説しています。
材料原価が30%、出店料が20%とすると、手元に残るのは売上の50%前後です。
仮に月商30万円なら、手取りは15万円ほどで、会社員時代の半分以下になる計算です。
この水準が3〜6ヶ月続くと考えて、家計が回るかどうかを先に確認しておきます。
メリットは、固定客がつけば6ヶ月目以降に月商が2〜3倍へ伸びる余地がある点です。
デメリットは、その6ヶ月を耐える現金がないと、軌道に乗る前に資金が尽きる点です。
備え1:運転資金を3〜6ヶ月分そろえる
*Photo by www.kaboompics.com on Pexels*
いくら用意すればいいのか
最初の備えは、生活費と事業の運転資金を3〜6ヶ月分そろえることです。
家計の生活費が月25万円なら、6ヶ月分で150万円が目安になります。
これに事業側の運転資金として、材料費や出店料の3ヶ月分30万〜50万円を上乗せします。
合計で180万〜200万円を、車両購入とは別に確保しておくと安心です。
この現金があると、初月赤字でも冷静に営業を続けられます。
逆に貯金が車両代でちょうど消える計画は、1ヶ月の不調で破綻するリスクが高いです。
備え2:会社員のうちに副業で助走をつける
*Photo by Ela Jochim on Pexels*
週末副業で「実数値」を先に取る
2つ目の備えは、会社を辞める前に副業として小さく試すことです。
週末だけの出店なら、平日の給料を保ったまま月4〜8日の営業経験を積めます。
この助走期間に、1日あたりの売上や原価率の実数値が見えてきます。
13年の経験上、週末営業で1日3万円を安定して超えられる人は、独立後も伸びやすい傾向があります。
メリットは、固定給を受け取りながら失敗の授業料を小さく抑えられる点です。
デメリットは、平日勤務と週末営業で体力的な負担が増える点です。
それでも、いきなり全額を賭けるより、半年〜1年の助走でリスクは大きく下がります。
備え3:固定費を低く設計しておく
*Photo by Kuan-yu Huang on Pexels*
固定費は月10万円以内を目標にする
3つ目の備えは、開業時点の固定費をできるだけ低く抑えることです。
毎月必ず出ていくお金が少ないほど、無収入期間を長く耐えられます。
車両は新車より中古を選び、ローンの月返済を3万〜5万円以内に収めると負担が軽くなります。
保管場所の駐車場代も、月1万〜2万円のところを選ぶと年間で12万〜24万円の差になります。
固定費を月10万円以内に抑えられれば、月商20万円でも赤字を小さくできます。
メリットは、売上が低い月でも資金の減りが緩やかになる点です。
デメリットは、設備を絞るぶん最初は提供メニューや営業日数に制約が出る点です。
13年で資金繰りに「ヒヤッ」とした3回【失敗と教訓】
備えの話を数字で書いてきましたが、机上の計算だけでは伝わらないものがあります。ここでは、13年のなかで実際に資金繰りで肝を冷やした「3回」を正直に書きます。備えが必要な理由が、リアルに分かるはずです。
タケ|移動販売13年
①開業直後:手探りで資金が回らなかった
1回目は、開業した直後です。何もかもが手探りで、思ったように資金が回りませんでした。
売上の入りと、材料費や出店料の出ていくタイミングがズレるだけで、手元の現金はあっという間に薄くなります。前の章で「運転資金を別に確保しておく」と書いたのは、まさにこの時期の自分に一番言いたいことだからです。
教訓:開業資金=車両代ではありません。車両を買ったあとに、無収入でも数ヶ月回せる現金があるかどうかが生死を分けます。
②車両を増やして拡大したとき:設備投資が先行した
2回目は、事業を拡大しようと車両を増やしたときです。設備投資が先に出ていき、その売上が追いつくまでは、完全に綱渡りでした。
「増やせば売上も増える」と頭では分かっていても、増えた売上が実際に入金されるまでにはタイムラグがあります。その間の資金を甘く見ていて、ヒヤッとしました。
教訓:拡大は攻めですが、攻めるほど手元現金は必要になります。売上が追いつく前提の計画は、追いつかなかった月に一気に崩れます。
③スタッフを増員したとき:人件費が固定費に乗る怖さ
3回目は、スタッフを増員したときです。人を雇うと、売上が落ちた月でも人件費は毎月きっちり出ていきます。この「固定費が乗る怖さ」を、身をもって知りました。
これは脱サラ組にそのまま当てはまります。開業時から固定費を高く設計すると、悪い月に一気に苦しくなる。備え3で「固定費は月10万円以内」と強く書いたのは、この経験が背骨にあるからです。お金まわり全体はキッチンカーのお金まわり完全ガイドにもまとめています。
教訓:固定費は「良い月」ではなく「悪い月」を基準に決める。売上が半分になっても払える額かを先に確認します。
それでも月商100万円には開業1年以内に届いた
ヒヤッとした話ばかり書きましたが、悲観してほしいわけではありません。手探りでも備えながら続けた結果、月商100万円には開業から1年以内に到達できました。
つまり、最初の数ヶ月の赤字や資金繰りの綱渡りは「通過点」にできるということです。そこを乗り越える現金と覚悟さえあれば、脱サラ×キッチンカーは十分に勝負になります。
よく「開業後6ヶ月分の運転資金を確保しよう」と言われますし、この記事でも目安として書いています。ただしこれは一般的な目安であって、正解の金額ではありません。必要額は生活費・固定費・出店ペースで人それぞれ変わるので、必ず自分の数字で計算し直してください。
タケ|移動販売13年
脱サラを考えている人から、よく聞かれること
43歳・未経験から脱サラしても、まだ間に合う?
間に合います。キッチンカーは体力より段取りと数字の管理が効く商売なので、40代の落ち着きはむしろ武器です。ただし未経験ゆえに最初の数ヶ月は判断ミスが増えます。だからこそ、いきなり全額を賭けず、後述の週末副業で経験値を買っておくのが安全です。
貯金はいくらあれば、辞めても大丈夫?
車両代とは別に、生活費+事業運転資金で180万〜200万円が一つの目安です(生活費25万円×6ヶ月+事業運転資金30万〜50万円)。ただしこれも一般的な目安なので、自分の毎月の生活費と固定費を当てはめて計算し直してください。貯金が車両代でちょうど消える計画は、1ヶ月の不調で破綻します。
収入が安定するまで、何ヶ月みておけばいい?
3〜6ヶ月が目安です。開業1〜3ヶ月目は固定客がおらず、1日の売上が1.5万〜3万円で上下します。固定客がつく6ヶ月目以降に月商が2〜3倍へ伸びる余地が出てきます。この期間を現金で耐えられるかが最大の関門です。
家族に反対されている。どう話せば納得してもらえる?
感情ではなく数字で話すのが近道です。「運転資金を200万円確保した」「週末副業で1日3万円を超えた実績がある」と、備えと実数値を見せれば、無謀に見えていた挑戦が計画に変わります。まずは会社員のまま週末副業で結果を出し、それを持って話すのが一番効きます。
タケ|移動販売13年
まとめ
脱サラしてキッチンカーに挑戦するのは無謀ではありませんが、収入の備えが前提条件です。
- 開業初月は赤字になりやすく、収入が安定するまで3〜6ヶ月かかると考えておく
- 運転資金は、生活費と事業費の3〜6ヶ月分を目安に車両代とは別に確保する(例:生活費月25万円なら合計180万〜200万円程度)
- 会社員のうちに週末副業で助走し、1日3万円を超えられるか実数値で確かめる
- 固定費を月10万円以内に抑え、無収入期間を長く耐えられる設計にする
基本公式:無謀かどうかは才能ではなく、3〜6ヶ月分の現金と助走でほぼ決まる
会社員という安定を手放す前に、この4つを整えてから一歩を踏み出してください。
ホリイ タケシ(タケ)
たこ焼き屋オーナー。最高月商500万円を達成した経験から、「キッチンカー月商100万稼ぐ」をコンセプトに発信中。








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