キッチンカー(移動販売)の仕込みは自宅でもできるの?
キッチンカー(移動販売)の仕込み場所の許可は必要?
キッチンカー(移動販売)の仕込み場を準備する方法
僕は7年ほどたこ焼きのキッチンカー(移動販売車)を経営しています。
この「移動販売(キッチンカー)の仕込み場所の許可は必要?自宅はできる?」の記事を読めばキッチンカー(移動販売)の仕込み場に関することは理解できます。
仕込み場に関することで悩まれる方は多いですが本記事に書いてあることを理解すれば仕込み場はどういう場合に必要なのか?どう準備しないといけないのか?
その辺りのもやもやしていることが解消されます。
移動販売(キッチンカー)の仕込み場のことを理解すれば、より満足がいくスタートが切れます。じっくり読んで自分に合う方法をみつけてください。
自宅では仕込みはできないのは知っていますか?
前提としてまずお伝えしておきたいことですが
「自宅では仕込みをしてはいけません」
これは保健所が定める基準です。
仕込みとは、調理前に行う下準備のこと。野菜をはじめとする食材を切ったりから揚げとかで例えるなら味をつけておく工程のことを指します。
ただ上記に関しては大まかに仕込み場を設けてやらなければいけないことは決まっていますが簡単な作業であれば仕込み場を準備する必要がない場合があります。
なので各最寄りの保健所に自分がこれから
- どんな商材を扱うのか
- どんな工程で作業を行うのか
このあたりを保健所の担当の方にお伝えした上で必要なのかどうか確認してください。
また仕込み場のメリット・デメリットも後述していきます。
仕込み場の闇
しかし何でみんな自宅で仕込みできると思っているの?
ネット上ではあまり語られていない事実です。組合やキッチンカーのメディアでもあまりこのあたりは触れていませんね。
ただ業界的に固定店舗をやりながらキッチンカーをやる方も増えてきているのでその辺は業界的にも良くなって来ているという印象です。
仕込み場を確保する方法は?大きく分けて3パターンの考え方
ではここからは具体的にどうやって仕込み場を確保したらいいのか?仕込み場に対しての考え方も踏まえて3パターンに分けて解説していきます。
- 仕込み場を準備する
- 仕込みができるキッチンカーを作る
- 仕込み場所を用意しなくてよい商材を選ぶ
仕込み場を準備する
まずキッチンカーとは別に仕込み場を準備するパターン。方法としては以下のようなことが上げられます。
- 1から仕込み場を作る
- 固定飲食店を営みながらキッチンカーを運営する
- 飲食店の居抜き物件を借りて仕込み場として使う
- 知り合いの飲食店を使わせてもらう
- 仲間同士で仕込み場所をシェアする
- レンタルキッチンで仕込みをする
1から仕込み場を作る
時間はかかりますが一番自由度は高いです。自分が所有する建物や土地があればあらためて仕込み場を作るパターン。
最初の初期投資はかかりますが自由度は高いです。
固定飲食店を営みながらキッチンカーを運営する
最近増えている流れです。固定店舗とキッチンカー両方ともメインで活動されている方もいればキッチンカーはあくまで宣伝で固定店舗の宣伝という方もいます。
どちらが正解というのはないですが固定店舗を運営していることでコロナの協力金を貰える流れも作れます。
キッチンカーの業界の人ではいないと願いますが中には協力金の制度を悪用している方もいるのでそれはやめたください。(犯罪なので最悪捕まると思うので気をつけてください)
飲食店の居抜き物件を借りて仕込み場として使う
居抜き物件を仕込み場所として活用する業者さんも増えた印象です。コロナ禍では出店場所がない時期はこの居抜き店舗の前で出店するというケースも増えました。
新しい仕込み場所の活用方法ですしキッチンカー業界にとっての新たな出店の仕方と言えます。出店料はかからないので上手く集客すれば出店料払ってどこかに出店するよりか利益が残るかもしれません。
知り合いの飲食店を使わせてもらう
キッチンカーを営んでいる方は固定店舗も営んでいる方も少なくありません。そういった横の繋がりから仕込み場所としてお借りする方法もあります。
探せば貸して頂ける飲食店もあると思うので費用を抑えたいという方は交渉してみる価値はあります。
仲間同士で仕込み場所をシェアする
キッチンカーを営んでいる方は同じように仕込み場所を確保することで悩んでいる方も数なくありません。そういった方と仕込み場所をシェアして仕込み場所を確保する手段もあります。
レンタルキッチンで仕込みをする
最近ではレンタルキッチンという場所が増えました。レンタルキッチンは基本飲食店営業許可を取っているので仕込みができる環境といえます。ただ商材によってできないものもあると思いますので保健所とレンタルキッチンのオーナーさんに確認を取ってください。
営業許可証をしているレンタルキッチン
https://omniba.net/
仕込みができるキッチンカーを作る
必ずしもキッチンカー以外に改めて仕込み場を設ける必要はありません。2つ目の方法としてはキッチンカーの中で仕込みできるようすることです。
2021年6月1日より改正・食品衛生法が施行されました。キッチンカーの許可は全国統一され1類、2類、3類で振り分けれれるようになりました。
結論、キッチンカーに仕込み設備を設けるには3類の営業許可が必要です。
なぜなら大量の水を使うことになるので必然的に3類になります。保健所の方に確認しても「水は200Lは用意してほしいです」とも言っていました。3類の設備基準は水だけでいうと200L以上というくくりです。
大きく準備しないといけないものは
- 3層シンク(手洗い用、食材洗い用、機材洗い用)
- 洗うための大量の水(200L以上)
- 給湯器(都道府県や商材によって必要な場合があるかもしれません)
になってくるかと。
キッチンカーで仕込み場ができる許可を得るには基本3層シンクも必須です。要は固定店舗と同じ内容で仕込み設備を用意すると考えてください。
水に関しても大量に使うと想定されるので200L以上の上下排水も必要になってきます。要は手洗いをして食材も洗って、機材も洗う水を準備しないといけないということです。
仕込みできるキッチンカーを準備するということは同様にある程度大きなキッチンカーでないと物理的に200Lの水を乗せれないので1.5tトラックぐらいのキッチンカーを準備する必要があります。まず軽トラックタイプとかで仕込みできるキッチンカーを作るのは無理です。
どんなタイプのキッチンカーがあるのかはキッチンカー(移動販売車)のおすすめ車種を7種類紹介【店主にインタビュー】で解説しているので仕込みできるキッチンカーを作りたいと考えている方はこちらの記事を参考にしてみてください。
仕込み場所を用意しなくてもいい商材を選ぶ
3つ目の考え方としては「仕込み場所を用意しなくてもいい商材」を選ぶということです。
キッチンカーをはじめるのに必ず仕込み場所を用意しないといけないとう定義はありません。仕込み不要であれば仕込み場所を準備しなくてもキッチンカーははじめられます。
- 仕込みが不要な商材を扱う
- 仕込みが必要ない材料を仕入れる
ということ。
仕込みが不要な商材を扱う
仕込み不要な商材を扱えばキッチンカーを始められます。
例えば
- 綿あめ
- ホットドッグ
など、食材をカットしないで現場で簡単な調理を行う商材です。
仕込みが必要ない材料を仕入れる
また野菜を扱うけれど、カット野菜を仕入れたり、から揚げとかで言えば外注してお肉をカットして味付けまでしたものを仕入れるなどのの工夫をして仕込み場所で行うことを外注に依頼することです。
仕込み場所があるメリット・デメリット
続いて仕込み場所があることでのメリット・デメリットも解説していきます。結論としては仕込み場所がある方がメリットあることが多いです。
仕込み場所があるメリット
- こだわったものが作れる
- 売上を作るための準備ができる
- 洗い物がラク
- 水を気にせず使える
こだわったものが作れる
仕込み場所がある一番のメリットは「こだわったものが作れる」ことではないでしょうか。やはりてづくり度合いと、こだわり度合いは一気にあがります。
逆に仕込みせずに作れるものって美味しいかもしれませんが作れるものは限られますしこだわり度は欠けます。
なので手作りしたい、こだわりたいという方は仕込み場所を準備することをおすすめします。
売上を作るための準備ができる
大量の売上をあげようと思うと事前準備は大切です。全部出店現場でやろうと思うと限界があります。
事前に仕込みしておけば現場でやる工程も減らせれます。もちろん商材によって仕込みせずに売上上げれる商材もありますが。
このあたりの売れ筋の人気メニューに関しては移動販売・キッチンカー、人気メニューの売れ筋ランキング10 で解説しています。
洗い物がラク
洗い物が多い商材を扱うのなら仕込み場所は必須です。大量に洗い物が多いなら広いスペースでやるのが効率的です。
水を気にせず使える
仕込み場所がキッチンカーだと使える水に限りがあります。逆にキッチンカーとは別に設けられた仕込み場所なら気にせず水を使えます。もちろん節水には心がけましょう。
仕込み場所があるデメリット
- 費用がかかる
- 仕込み場の許可を申請しなければならない。
費用がかかる
仕込み場を準備するとなると家賃がかかります。自分の所有の建物で家賃がかからない場合もありますが基本場所を借りるとなれば家賃費用がかかってきます。また仕込み場の営業許可代など
仕込み場の許可を申請しなければならない。 (更新あり)
キッチンカー同様営業許可を取得しなければなりません。営業許可は5年更新なので許可の手間もあります。
固定店舗と変わらない設備環境を設ける必要もあるので商材に関係する備品も準備しないといけません。
もちろん外注するということはそれだけ原価コストは上がるのでご注意を。また前でもお伝えしましたが手作り感とこだわり感にかけてしまうのがデメリット。ものはいいようですが、、、。
まとめ:仕込み場所を準備するためには大きく3パターンを理解することからはじまる。
まだまだ歴史が浅い業界で自宅を仕込み場所と捉えている、実際に仕込み場所として活用している方も少なくありません。
ただ、保健所の決まりとして自宅の仕込みは許可していません。
正しい方法としては以下の3パターン
- 仕込み場を準備する
- 仕込みができるキッチンカーを作る
- 仕込み場所を用意しなくてよい商材を選ぶ